抄録
2014年11月から2016年3月に行ったリバース型人工肩関節全置換術(RSA)について,術後の肩関節機能改善,特に屈曲回復時期に注目して術後成績を調査した.対象は7例7肩,手術時平均年齢79歳,術後平均経過期間1年7か月,対象疾患は腱板断裂性関節症(CTA)3肩,広範囲腱板断裂(MRCT)3肩,腱板再断裂1肩.可動域,JOAスコア,90度自動前方挙上回復期間,合併症およびインプラント周囲のゆるみの有無を調査した.可動域は,屈曲,外転および外旋で改善したが,内旋では悪化した.JOAスコアは術前44.1点が術後87.7点に改善した.7例中5例が術後3週間で90度前方挙上可能であった.合併症は1肩に術中の上腕骨小結節の骨折を生じた.ゆるみは認めなかった.RSAは術後早期の機能改善が期待できるため,CTAやMRCTによる高度の肩関節障害を生じた高齢患者に対する有用な治療法と考えられる.