肩関節
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筋腱疾患
高齢者の腱板断裂に伴う偽性麻痺肩に対する鏡視下手術の成績
石田 康行長澤 誠谷口 昇帖佐 悦男
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2018 年 42 巻 2 号 p. 474-477

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抄録

 高齢者の腱板断裂に伴う偽性麻痺肩に対して,RSAを推奨する報告がある.今回70歳以上,自動挙上90度未満の腱板断裂例に対する鏡視下手術の成績を調査した.術後12ヶ月以上観察できた32肩を対象とした.年齢は平均73.9歳,観察期間は平均25.1ヶ月であった.手術法は一次修復術27肩,部分修復術3肩,パッチ法2肩であった.一次修復例の腱板修復状態を術後1年時MRIで調査し,菅谷分類別の術前後のJOAスコア,自動挙上角度(aAE)を調査した.部分修復術,パッチ法のJOAスコア,aAEも調査した.腱板修復状態はtype1,15肩,type3,1肩,type4,4肩,type5,7肩であった.JOAスコア,aAEは概ね改善していたがtype5とパッチ法が他より劣っていた.部分修復術は良好であった.RSAは最終手術である認識が必要である.低侵襲な鏡視下手術は有効で,今後さらに見直されるべきものと考える.

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© 2018 日本肩関節学会
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