2019 年 43 巻 2 号 p. 397-400
肩関節運動が腋窩皮膚の伸張に影響を及ぼすと仮説し,上肢挙上方向,角度と腋窩皮膚区分の面積との関連性について検討した.対象は健常者12名で,課題は肩関節屈曲,外転とした.腋窩皮膚は腹側をA,背側をP,高さを頭方から尾方にかけて1,2,3とする6つの四角形(A1,A2,A3,P1,P2,P3)に区分した.独立変数を運動方向,皮膚区分,角度,従属変数を皮膚面積とし,分散分析後に下位検定を行った.屈曲ではP1にて全ての角度で,外転ではP1とA1が60°以降で有意に面積が増加した.屈曲と外転の比較において,A1では全ての角度で,A2とA3では90°と100°で外転が屈曲と比較して面積が有意に増加した.本研究では,角度と腋窩皮膚の面積に有意な主効果があり,上肢挙上中の腋窩皮膚の面積は運動方向と角度の相互に影響されることが明確になった.