肩関節
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脱臼
20歳以下の若年女性に対する鏡視下バンカート修復術の術後成績
山上 直樹
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2019 年 43 巻 3 号 p. 698-701

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抄録

 鏡視下バンカート修復術を施行し2年以上経過観察可能であった20歳以下の女性31例35肩を対象として術後成績を調査した.術後JSS-SIS,Rowe scoreは有意に改善し,再発は3肩(9.0%)であった.術後5年時に転落で1肩と術後1年以内に体育中のハンドボールで2肩に再発を認めた.競技継続は15肩(45.5%),半数は学生時代に肩以外の理由で競技中止となっていた.若年女性は関節弛緩性が高い傾向にあり,弛緩性は再発の要因の一つであるが,今回の結果では術後スコア,再発率,復帰率は良好であり,長期経過で再発は多くはなかった.女性はコリジョン,コンタクトスポーツ参加率が低く,競技を学生時期で終了していた症例が多く受傷機会が少なかったためと思われた.再発は階段からの転落1肩(術後5年),学校体育ハンドボール中に2肩(術後1年以内)であり元の競技中ではなかった.学校生活指導の徹底は必須と考えられた.

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© 2019 日本肩関節学会
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