肩関節
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筋腱疾患
関節鏡下肩峰下除圧術を併用しない関節鏡下腱板修復術の臨床成績
栫 博則海江田 英泰海江田 光祥泉 俊彦廣津 匡隆藤井 康成谷口 昇
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2019 年 43 巻 3 号 p. 749-752

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抄録

 関節鏡下腱板修復(ARCR)において関節鏡下肩峰下除圧術(ASD)は一般的に行われている手技である.しかし烏口肩峰靱帯は烏口肩峰アーチの一部をなし,骨頭の前上方への変位を抑制しており,ARCRにおいて腱板再断裂を完全には予防できない以上,烏口肩峰靱帯はARCR後の重要な組織と考え,我々は基本的にASDを行っていない.本研究の目的はASDを併用しないARCRの臨床成績を評価することである.ARCRを行い一次修復可能であった53肩を対象とした.術前の肩関節3DCTを使用した骨棘の有無,骨棘の形態の評価及び日本整形外科学会治療判定基準を用いた臨床成績の評価を行った.ASDの有無では臨床成績に有意差を認めず,これは骨棘のある症例に限っても同様であった.また骨棘形態による臨床成績の有意差も認めなかった.ARCRにおいてASDは必ずしも全例に必要な処置ではないことが示唆された.

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© 2019 日本肩関節学会
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