抄録
鏡視下Bankart法(以下ABR法)と鏡視下Bankart&Bristow変法(以下ASBB法)の術後肘屈曲筋力を経時的に測定し,術後筋力の回復に差が生じるか調査し肘屈曲筋力の観点からASBB法の術後競技復帰時期の妥当性を検証することを目的とした.対象は術前と術後3-6ヵ月まで経時的に肘屈曲筋力を計測できたABR法15例,ASBB法40例である.徒手筋力計にて等尺性肘屈曲筋力を計測し,ABR法とASBB法各々の術前比と健側比を算出し比較検討を行った.術前比では術後3ヵ月,健側比では術後3-6ヵ月の期間においてASBB法はABR法と比較し有意な低下を認めた.ASBB法の健側比は術後4ヵ月で80%以上,術後5ヵ月で90%以上の回復が得られ,術後4-5ヵ月時点で競技復帰可能な筋力であると考えられるが,術後5ヵ月で術前や健側レベルまで回復していないため,肘屈曲筋力を最大限必要とするプレーやスキル,スポーツ種目によっては注意を要すると考える.