肩関節
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炎症疾患
拘縮肩と凍結肩の定義と適正な学術用語
浜田 純一郎高瀬 勝巳藤井 康成乾 浩明小林 勉後藤 昌史塩崎 浩之畑 幸彦田中 栄林田 賢治森澤 豊森原 徹山本 宣幸
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2021 年 45 巻 1 号 p. 122-126

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抄録

 凍結肩について,AAOSの定義と分類やISAKOSの提言があり混乱がある.そこで会員に対し凍結肩のアンケート調査をおこなった.その結果,AAOSの一次性凍結肩の定義,一次性・二次性凍結肩の分類に同意する会員はそれぞれ63%,53%であった.原因不明の拘縮肩の診断名は凍結肩31%,拘縮肩22%,肩関節周囲炎16%,五十肩16%と多くの病名が使われていた.調査結果から凍結肩と拘縮肩の定義の曖昧さとAAOSの定義や分類への同意率が低いことがわかった.英語論文100編を調査するとadhesive capsulitisが45%,frozen shoulderが41%であり欧米ではこの2病名を主に使っていた.拘縮肩と凍結肩の定義を明確化するため学術委員会では,可動域制限があれば拘縮肩とし,そのうち原因不明な拘縮肩のみを凍結肩,原因の明らかな拘縮肩を二次性拘縮肩とするISAKOSの提言を採用した.

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© 2021 日本肩関節学会
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