抄録
リバース型人工肩関節置換術(RSA)は,Grammontが当初設計したデザインから,上腕骨を外方化させるデザインに近年変遷している.本研究では,RSAにおける上腕骨外方化の効果を検討した.2014年7月以降,RSAを施行した36例(男性12例,女性24例,手術時平均年齢76.0歳)を対象とした.RSAの使用機種は,従来のGrammont型(G群)が20例で,上腕骨外方化型(L群)が16例であった.術後,臨床評価を行い,JOAスコア,自動可動域(屈曲,外転,外旋,内旋),筋力(外転,外旋)を比較検討した.JOAスコアと可動域(屈曲,外転)は両群とも有意に回復していたが,二群間に有意差はなかった.可動域の外旋は二群とも有意な改善は無く,内旋はともに有意に悪化していた.外転筋力は両群で,外旋筋力はL群のみで有意に改善し,術後1年の外旋筋力もL群が有意に大きかった.上腕骨外方化により外旋筋力が有意に改善し,上腕骨外方化の有用性が示された.