抄録
2018年から2019年にかけて当院にて鎖骨骨幹部骨折に対するプレートを用いて骨接合術を行った33例のうち鎖骨単独骨折に対してプレート固定を行った26例(男性24例,女性2例)に対して上方固定(S群)と前下方固定(A群)に分けて比較検討を行った.上方固定は全てOpen Reduction Internal Fixation(ORIF)で行い,前下方固定は全てMinimally Invasive Plate Osteosynthesis(MIPO)法を用いて行った.平均年齢は S群:45.7 ± 12.4(SD)歳,A群:48.5 ± 10.6(SD)歳,骨折型分類は Robinson分類を使用し,2B1が8 例,2B2が18 例であった.調査項目は手術時間,合併症の有無,臨床評価(Quick DASH),抜釘の有無,骨癒合期間とした.平均手術時間はS群:88.4 ± 8.2(SD)分,A群:89.2 ± 6.4(SD)分 ,全例骨癒合し,術後1年時点でのQuick DASHスコアはS群:8.6 ± 11.2(SD)点,A群:1.4 ± 1.4(SD)点であった.合併症は拘縮肩(S群:1例),鎖骨上神経症状(S群:4例,A群:なし),インプラント関連症状(S群:4例),感染(A群:1例)を認めた.統計処理はstudent-t検定を用い,両群間においてQuick DASHのみ有意差を認めた(p < 0.05).鎖骨骨幹部骨折に対する前下方固定の術後成績は良好であり,上方固定と比較し合併症が少ない傾向にあった.