抄録
鏡視下腱板修復術後に発症したCRPS様症状の頻度および特徴と,術後成績に与える影響を調査した.肩関節鏡視下腱板修復術を施行した50肩を対象とし,術後に手指腫脹・こわばり・可動域制限のいずれかを生じた症例をCRPS様症状陽性と定義した.対象をCRPS様症状陽性群と陰性群に分類し,年齢,性別,外傷の有無,罹病期間,糖尿病の有無,断裂サイズ,肩甲下筋腱修復の有無,手術時間,使用アンカー数,再断裂の有無について2群間で比較した.また,JOAスコアおよびshoulder36を術前,術後3・6・12か月で測定し,2群間で比較した.CRPS様症状は28%に生じていた.術前後因子はすべての項目において2群間で有意差は認めなかった.術後12か月のJOAスコアは可動域・総合項目で陽性群が有意に低値であった.また,術後12か月のshoulder36はすべてのドメインで陽性群が有意に低値であった.鏡視下腱板修復術後に発症するCRPS様症状は,術後の臨床成績および患者満足度に影響する可能性が示唆された.