抄録
健常高齢者の三角筋・肩甲骨周囲筋の筋活動を明らかにするために筋電図で若年者と比較した.対象は高齢男性21名21肩(年齢78.0 ± 4.7歳:高齢者群)と若年男性9名9肩(年齢32.2 ± 8.5歳:若年者群)とした.測定筋は三角筋前部・中部・後部線維,僧帽筋上部・中部・下部線維,前鋸筋とした.測定は肩関節屈曲0°,30°,60°,90° の5秒間保持とし,筋電図データから0° -30°,30° -60°,60° -90°間のR-muscle値を算出した.R-muscleとは,角度の変化に対する筋活動の変化率を示す.全ての測定筋で高齢者群と若年者群間で筋活動パターンに相違を認めなかったが,三角筋各線維に群間での筋活動量に有意な主効果を認めた.本研究より,高齢者の三角筋・肩甲骨周囲筋の筋活動は,若年者と比べ屈曲角度の変化への対応に相違を認めなかったが,三角筋の筋活動量について低値であることが明らかになった.