抄録
凍結肩患者における罹病期間と破局的思考が中枢性感作(Central Sensitization, 以下CS)に及ぼす影響について調査した.2019年11月から2021年4月まで,当院で身体所見と画像所見から凍結肩と診断した53例(男性20例,女性33例:平均年齢59.8 ± 11.9歳(SD)を対象とした.評価は初診時に中枢性感作の診断ツールであるCentral Sensitization Inventory日本語版(以下CSI)にてカットオフ値40点以上をCS +群,40点未満をCS-群とした.破局的思考はPain catastrophizing scale日本語版(以下PCS)を用い30点以上を陽性(PCS+)とした.また罹病期間(日)を両群間で比較検討した.統計学的検討はChi-square test, Mann-Whitney U testを使用し,p < 0.05を有意差ありとした.CS +群は凍結肩の15%(8/53例)にみられた.PCS陽性者はCS +群で88%(7/8例),CS-群で4.4%(2/45例)であり,CS +群で破局的思考の傾向が強かった(p < 0.01).罹病期間はCS +群で168.8 ± 64日(SD),CS-群で108.6 ± 91.3日(SD)であり,CS +群で長期であった(p < 0.05).