抄録
【目的】比較的稀な若年運動選手に生じた肩甲骨関節窩骨軟骨障害の6例を経験したことから報告する.
【症例】当院及び関連施設で治療を行った6例6肩(男性5例,女性1例).平均年齢17.8歳(15~20歳)であった.投球障害の発生部位は5例が後方,器械体操の1例が上方であった.保存療法を2例に,4例に手術治療を行った.合併損傷として関節唇損傷を全例に認めた.術式の内訳は鏡視下ドリリング及び関節唇修復3例,骨軟骨柱移植術1例であった.平均6.4か月でスポーツ復帰したが3例が完全復帰・1例が不完全復帰で,最終経過観察時の日本肩関節学会スポーツスコアは平均83.8点であった.保存療法の1例は完全復帰・1例は不完全復帰であった.
【考察】投球障害の5肩では肩甲骨骨軟骨障害部位が共通しており,投球動作時に肩甲骨関節窩軟骨に懸る剪断力や,関節唇損傷による不安定性が要因と思われた.器械体操の1肩は種目毎に荷重・軸圧・牽引などの複合因子の関与が考えられた.