抄録
リバース型人工肩関節置換術(RSA)の合併症の一つにscapular notchがある.scapular notchは通常単純X線によって評価されるが,その精度は明らかでない.本研究の目的はscapular notchの検出精度について単純X線とCTを比較検討することである.未固定遺体11体から肩甲骨を剖出し肩甲骨コンポーネントを設置した.一側の肩甲骨には頸部中央に,反対側の肩甲骨には頸部後方1/2にnotchを作成した.深さ4,8,12mmの3段階のnotchを順次作成し各段階での単純X線正面像とCTを撮影した.各画像でのnotchの有無を評価し,単純X線,CTにおけるnotchの検出率を検討した.単純X線での中央部のnotchの検出率は4mmで72.7%,8mmで90.9%,12mmで100%であり,後方のnotchでは9.1%,27.3%,63.6%であった.後方のnotchの方が検出率は低かった.CTでの検出率は中央部のnotchはすべて100%で,後方のnotchは81.8%,100%,100%であり,CTの方が検出率は高かった.notchが小さい場合には単純X線では評価が困難であり見逃されることが多く,notchの正確な評価にはCTが有用である.