抄録
神経根ブロック下肩関節授動術(Manipulation Under cervical nerve root Block; MUB)後の麻酔下での肩関節可動域(Range of motion; ROM)を,肩甲上腕関節(Glenohumeral joint; GH)のROM評価方法として用いられる肩甲骨固定(F法)と,肩関節複合体(Shoulder complex; SC)のROMを反映する肩甲骨非固定(NF法)で測定し,MUB後の可動域改善効果がどのように生じているのかを検討することを目的とした. MUBを施行した凍結肩患者22症例を対象とし,MUB後20分間のアイシングを行った後,肩関節屈曲,外転,30° 屈曲位内旋,30° 屈曲位外旋,90° 屈曲位内旋(3rd内旋),90° 屈曲位外旋(3rd外旋),水平内転のROMを両測定法で測定した.ROM毎に両測定法の相関関係をSpearmanの順位相関係数にて算出した(p < 0.05).30° 屈曲位外旋と3rd内旋,3rd外旋,水平内転のみ正の相関を認めた.MUBを行った場合,両測定法でROM測定を行うことで,運動方向によって関節包の破断が完全でない可能性があることや,可動域改善効果に限界がある可能性があることが示唆された.