抄録
Latarjet法は30代以上の患者での施行は比較的少なく,若年者と成績を比較した報告は少ない.本研究の目的は年齢別での術後成績の違いを比較することである.対象は当院で直視下Latarjet法を鏡視下Bankart法と併用で施行し,術後1年以上の経過観察が可能であった30人31肩を30歳未満の青年期患者群(A群: 17人18肩)と30歳以上の壮年・中年期患者群(M群:13人13肩)に分類し,再脱臼の有無,移植骨片の骨癒合,術前後のXpの変化,可動域変化(屈曲・外旋・内旋),術後JOA scoreについて評価した.術後から最終観察時点で再脱臼は全例生じず,移植骨片は全例癒合した.術前後のXpで関節症変化はほとんどなく,術前後屈曲・外旋の可動域変化,術後JOA scoreは両群間で有意差はなかったが,内旋可動域はM群での有意な低下を認めた.当術式は再脱臼の可能性も低く,両群ともに良好な成績を示し,30代以上の患者に対しては術後の内旋制限に注意する必要があると考えられる.