抄録
一次修復不能な広範囲断裂例のうち,高齢で可動域が保たれた症例に棘下筋回転移行術を施行した.1年以上経過観察できた患者10例(平均年齢72歳,術後経過観察期間は平均28.9か月)の短期成績を報告する.
術前MRIでは後上方腱板の大~広範囲断裂を認め,Goutallier分類では棘上筋stage3-4,棘下筋stage2-4であり,肩甲下筋断裂を7例に認めた.平均のASESスコア(術前)は術後65点(41点)へ,Constantスコアは術後62点(50点)へ有意に改善した.術後可動域(術前)は屈曲が152°(139° ),内旋はTh12(L1)と術前後で有意差は認めず,下垂位外旋は27°(38° )と有意な低下を認めた.術後の再断裂率は30.0%であった.棘下筋回転移行術は,高齢で偽性麻痺のない一次修復不能な腱板断裂症例に有用と考えられた.