抄録
当院では若年例,コンタクトスポーツの症例,再発例などのハイリスクの外傷性肩関節前方脱臼に対して直視下Bankart & Bristow変法を施行しており,その中長期臨床成績を評価した.対象は5年以上の直接診察または電話による調査が可能であった123例129肩である.2年以内のスポーツ復帰率は98%であり,やや満足以上の評価を98%に得た.また術後外旋可動域は健患側差5.7°であり,再脱臼例は2例(1.6%)に,関節症性変化(以下OA変化)は3例(6.5%)に認めた.当院で施行している直視下Bankart & Bristow法は過去の他の報告と同様,高い脱臼制動性が得られ,ほとんどの症例でスポーツ復帰が可能であり,その臨床成績は良好であった.ただ,OA変化を6.5%に認めた.本法は外傷性肩関節前方脱臼に対して,有用な術式である一方,OA変化に対しより長期の経過観察が必要と考えられる.