抄録
肩関節後方不安定症の治療は保存療法が基本であるが,手術を要する場合もある.本研究の目的は,手術を要した症例の臨床的特徴と術後成績を調査することである.鏡視下手術を施行した6例6肩を対象とした.平均年齢19.2歳で,術後観察期間12から27カ月(平均20.0カ月)であった.全例で何らかの外傷やスポーツでの反復動作ストレスを有していた.後方関節唇修復術を全例で行い,3例は前方関節唇修復術も同時に行った.1例は肩甲下筋腱でのremplissage法も追加した.臨床スコアは,術前と比較しそれぞれ有意に改善した.Posterior jerk test は最終診察時も2例が陽性であったが,全例で日常生活の支障はなくなった.肩関節後方不安定症は,外傷やスポーツの反復動作により解剖学的破綻を生じた症例が,症候性となり手術を要することがある.鏡視下手術により良好な成績が期待される.