抄録
肩関節鏡視下腱板修復術の術前MRI検査にて認めた肩甲下筋腱断裂,上腕二頭筋長頭腱の異常所見から鏡視所見による肩甲下筋腱断裂の診断精度を検討した.鏡視下腱板修復術を行った157肩(男性104肩,女性53肩)を対象とした.MRIにて上腕二頭筋長頭腱の直径の変化,輪郭の変化,輝度変化,位置異常,周囲水腫を評価した.また肩甲下筋腱の水平断像での不連続性,Superior subscapularis recess fluidによる評価を行った.肩甲下筋腱断裂は123肩においては認めず,不全断裂を14肩に認め,完全断裂を20肩において認めた.全てのMRI所見において肩甲下筋腱完全断裂と断裂なし群の間で有意差を認めた.一方で不全断裂と断裂なし群の間では肩甲下筋腱不連続性,長頭腱位置異常の項目が有意差を認めた.MRIの各検査の項目の陽性数は断裂なし群では2.48項目,不全断裂群では3.78項目,完全断裂群では5.35項目であり,いずれの群間においても有意差を認めた.肩甲下筋腱断裂の検出においては長頭腱においていくつものMRI所見を検討することで検出率を上げることができると予想する.