抄録
当院で行っている鏡視下骨孔腱板修復術(以下ATOS)による肩甲下筋腱断裂の治療成績について検討した.2013年4月から2022年4月までに手術に至った腱板断裂症例989肩のうち,肩甲下筋腱断裂に対してATOSを施行し1年以上経過観察可能であった75例75肩(男性47例,女性28例)を対象とした.肩甲下筋腱の断裂形態はLafosse分類でtype 1:32例,type 2:20例,type 3:14例,type 4:9例であった.手術前後でのJOAスコア,ROM(前方挙上・下垂位外旋)を比較した.またMRI評価を菅谷分類にて行った.統計学的検討はMann-Whitney U testを用い危険率5%以下を有意差ありとした.JOAスコアは術前49.2点から術後72.0点へと有意に改善した.挙上角度は125度から147.2度へ有意に改善したが,下垂位外旋角度は47.7から44.2度と改善はみられなかった.術後MRI評価でtype1が70例,type2が2例,type3が3例と再断裂を認めなかった.ATOSによる肩甲下筋腱断裂修復では再断裂率0%であり肩甲下筋腱断裂に対するATOSは極めて有用であると考えられた.