抄録
当院では腱板大・広範囲断裂に対し,Graft Augmentation(以下 GA)法による補強を行っている.今回術後2年以上経過観察可能であった25症例の臨床成績について検討した.検討項目は術前後の JOA スコア,UCLA score,自動挙上角度,下垂外旋,内旋角度,筋力(MMT),AHD(肩峰骨頭間距離)を用い,術後の MRI での cuff integrity の評価は菅谷分類を用いた.いずれも術前後で有意差をもって改 善が見られた.再断裂はみられず,cuff integrity は 6 ヵ月以降では全例 Type2 以下であった.GA 法における利点として,残存腱が大結節に修復されていることや,グラフト 補強により再断裂予防につながること,骨髄由来の腱様組織の誘導を促すこと等が考えられる.また,本術式ではdouble suture-bridge 法を行うことで再断裂を防止し,良好な成績が得られたと考えた.