2025 年 49 巻 1 号 p. 224-227
三角筋麻痺を伴う上腕骨近位端骨折に対してリバース型人工肩関節全置換術(RSA)を施行した7例 (男性2例,女性5例; 平均手術時年齢78.3歳; 平均経過観察期間23.9か月)の臨床経過と治療成績を調査した.術前の理学所見は,腋窩神経支配領域の知覚低下を4例のみに認め,3例は腋窩神経障害もしくは三角筋麻痺の診断はつかなかった.骨折型はNeer分類3 part骨折3例(脱臼骨折2例),4 part骨折4例(脱臼骨折1例)であった.術後1,2,3,4,6,9,12か月の平均前方挙上角度はそれぞれ33.8,42.0,60.2,62.0,70.0,93.0,92.1 °であり,術後3か月から9か月にかけて全例で筋電図上の三角筋麻痺の回復に伴い角度は改善した.術後12か月時のJOAスコアは平均53.6/80点,UCLAスコアは25.0/35点であった.術後合併症として1例に術後早期に肩関節脱臼を認めた.三角筋麻痺を合併した上腕骨近位端骨折に対するRSAは,成績不良ではなく絶対的禁忌ではないと考えられた.