2025 年 49 巻 1 号 p. 70-73
閉経後女性の上腕骨近位端骨折における上腕骨皮質骨厚と骨粗鬆症診断の関連について調査した.対象は当院で手術加療を行い,骨密度測定を行った60例で,平均年齢が74.3±8.9歳である.上腕骨皮質骨厚の測定は健側単純X線正面像で内側と外側の皮質が平行になる最も近位部とその20mm遠位で直接的に測定した.腰椎・大腿骨近位部のYAMが70%以下を骨粗鬆症と診断した.上腕骨皮質骨厚は,骨粗鬆症あり群43例は4.4±1.1mm,骨粗鬆症なし群17例は5.8±0.9mmで有意に骨粗鬆症あり群で低値であった.上腕骨皮質骨厚と各部位のYAMは有意な正の相関を認めた.ROC解析では,上腕骨皮質骨厚のカットオフ値を4.8mmとすると,感度88.9%,特異度62.5%で,骨粗鬆症の併存のオッズ比が36.9となった.上腕骨皮質骨厚は骨粗鬆症診断の一助となりえる.