2000年に開催された淡路花博には強風発生の日数をインデックスとする天候デリバティブが導入された.強風による来場者数減少にともなう入場料等の収益減少を吸収することが天候デリバティブ導入の理由の一つであった.博覧会のようなイベント・観光事業のみならず,建設,食品,製造,販売,農林水産業,エネルギーといった多岐にわたる業種で天候に対するリスクヘッジのニーズはあるものの,風に関する天候デリバティブの事例はまだ少なく,今後の市場の拡大ならびに活性化のために過去の導入事例を分析・評価することは有益である.そこで本研究においては,淡路花博への入場者数と開催期間中の風速との関係について分析するとともに,その天候デリバティブについて事後評価を行う.