主催: 日本風工学会
共催: 日本建築学会, 日本鋼構造協会, 土木学会, 日本気象学会
会議名: 第25回風工学シンポジウム
開催地: 東京,東京工業大学 大岡山キャンパス
開催日: 2018/12/03 - 2018/12/05
架空電線は常に風雨に曝されており,疲労損傷などの経年劣化が問題となる.また,広域かつ膨大に敷設されているため,優先的に対策すべき地域や設備を特定し,効率的に保守を進めることが重要である.そこで本研究では,バフェッティングによって電線の把持部に生じる疲労損傷度をマップ化する手法を提案した.広域エリアを対象とした風特性の評価には領域気象モデルと台風シミュレーションを使用し,得られた風特性に基づく変動風が電線に作用する場合の動的な応答を時刻歴風応答解析から求め,各地における電線の疲労損傷度を算出した.九州地方を対象にマップを作成した結果,山岳域において疲労損傷度が高いことが示された.また,風速発生頻度として,領域気象モデルのみを用いた場合と,領域気象モデルの非台風時の結果と台風シミュレーション結果を用いた場合を比較した結果,九州南部において後者の疲労損傷度が前者を上回る傾向を示すが,山岳域では前者が後者を上回る傾向にあった.