抄録
ヒトの幼児期に相当する生後5週令のWistar系雄ラットを用い, 亜鉛が成長発育期の軟骨内骨化による骨形成に及ぼす影響について検索した.本研究では, 成長発育期の骨形成において亜鉛の影響を調べるために亜鉛含有量の異なる食餌を与え, その影響をラットの下顎頭軟骨を用いを用いて検索した.実験には小児期に相当する生後5週齢のWistar系雄ラット(40匹)を用い, 無作為に次の4群に分けた.対照群(標準食) : ラット標準飼料(オリエンタル酵母工業)と水道水にて飼育した.亜鉛欠乏食群 : 亜鉛欠乏飼料(オリエンタル酵母工業)と水道水で飼育した.低亜鉛食群(50%) : 低亜鉛食飼料(オリエンタル酵母工業)と水道水で飼育した.高亜鉛食群(150%) : 高亜鉛食飼料(オリエンタル酵母工業)と水道水で飼育した.骨塩量, Ca, Pの定量分析, 病理組織所見ならびに走査型電顕所見より総合的に判断して, 成長期の下顎頭軟骨は骨形成において亜鉛が必要不可欠な微量元素であり, さらに亜鉛摂取量を増加させることにより骨形成作用を促進されることが示唆された.