九州歯科学会雑誌
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健康や口腔機能を高めるための咬合治療
山地 正樹 山地 良子千手 靖子
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2010 年 64 巻 2 号 p. 15-37

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抄録
歯,口腔は人間として生きるための摂食機能,呼吸機能および発語機能を営んでいる. これらの口腔機能を保持増進し,豊かに営むことは人々の全身の健康にとって重要なことである.我々臨床家が歯科治療において目指すのは健康や機能を考慮して,疾患を的確に治療すると共に,治療後の状況を長くメインテナンスしていくことである. 歯周病は糖尿病,誤喋性肺炎,早産,血管の動脈硬化などへの影響があるといわれている.咬み合わせが悪く,アゴが偏位していると顎関節症,肩こり,腰痛,頭痛などの症状が起こり,また顔の非対称や姿勢が悪くなったりすることがある.社会が複雑になり,これらの症状を持った患者さんが増加する中で,全身の健康や口腔機能の向上のためにも,矯正治療や適切な咬合治療が求められている. 矯正治療,歯周治療補綴治療等を包括する咬合治療は全身健康や,口腔機能の向上につながるかを調べるために,54名の治療前後について統計処理を行ったその結果,全身健康スコアや咬合機能は,一連の咬合治療後に明らかに有意の差をもって改善した.これらの研究により,適切な咬合治療を行えば患者さんの健康や口腔機能の向上につながることが示唆された. 咀噌,嚥下,発語機能という人の健康や口腔機能を支える大切な器官である歯や咬合は,我々臨床家が個人のライフステージにおいて保持増進していかなければならない.
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© 2010 九州歯科学会
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