九州歯科学会雑誌
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骨粗鬆症に対するビスフォスフォネートを用いた治療の現状と今後
酒井 昭典
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2011 年 65 巻 4 号 p. 105-109

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抄録
日本における骨粗鬆症の患者数は約 1200 万人であり,そのうち治療を受けている者の割合は約 20 %といわれてい る.「骨粗鬆症による骨折」は,「脳血管障害」,「高齢による衰弱」に次いで,寝たきりの原因の第 3 位である.その主な原因と認識されている大腿骨近位部骨折の年間発生数は,経年的に増加し,2002 年には 10 万人を突破し,2007 年には 14 万 8 千人に達した.ひとつ骨折を起こすと次の骨折を生じるオッズ比が数倍になることや,椎体骨折や大腿骨近位部骨折のある者はない者と比べて生命予後が悪いことが知られている.骨粗鬆症の治療目標は,脆弱性骨折を 防止し,患者のQOL を維持し,健康寿命を延伸させることである. 骨粗鬆症に対する薬物治療は,現在,骨吸収抑制剤であるビスフォスフォネート製剤が中心である.閉経後エスト ロゲン欠乏により亢進した骨吸収と骨代謝回転を抑制する.ビスフォスフォネート製剤は,椎体の骨密度を 1 年で約 5 %増加させ,椎体骨折や大腿骨近位部骨折の発生率を約 50 %抑制させ,骨折後の生命予後を改善させることのできる有用な薬剤である.現在,連日あるいは週 1 回の経口薬がある.月 1 回製剤や注射薬が開発中である.一方,本邦発の骨形成促進剤である副甲状腺ホルモン(一般名 : テリパラチド)が 2010 年 7 月に国の承認を受けた.テリパラチドは,腰椎骨密度を 1 年で約 10 %増加させ,椎体骨折の発生率を約 65 %抑制,非椎体骨折を約 50 %抑制する.また,BRONJ(bisphosphonate‒related osteonecrosis of the jaw)の治癒を促進することが報告されている. 今後の骨粗鬆症治療は,患者の骨折リスクを個々に評価し,各患者に最も適した薬物・運動・手術療法を組み合わ せるテーラーメード医療に向かうと思われる.BRONJ の発生は憂慮すべきことであるが,ビスフォスフォネート製剤の骨粗鬆症治療薬としての有益性は高い.本邦のBRONJ のポジションペーパーを遵守し,医科と歯科の綿密な連携によりBRONJ の発生頻度を低下させる不断の努力が必要である.
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© 2011 九州歯科学会
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