抄録
本総説では,非貴金属および貴金属用の機能性モノマーの構造と金属との接着のメカニズムについて解説し,次いで金属接着技術を応用した補綴装置について述べた.一般に機能性モノマーは,金属酸化物被膜や金属表面そのものと反応する親水基,メチルメタクリレートと共重合する疎水基および耐久性に影響するといわれている中間構造の3パーツから成っている.金属接着技術が用いられる最もよく知られた固定性補綴装置は接着ブリッジとオーバーキャスティングである.一方,金属接着技術は可撤性補綴装置の作製と修理にも有用である.しかしながら,条件が格段に厳しく,クラウン・ブリッジほどの接着耐久性はない.