抄録
顎変形症患者に対して,顎口腔機能の獲得,顔貌の改善を目的に外科的矯正治療が広く適応されている.この総説では国内の各施設から報告された外科的矯正治療症例の統計的検討に関する報告27編と本学附属病院矯正歯科を受診した骨格性不正咬合患者のデータベースをもとに,我が国での外科的矯正治療の経時的動向を調査した.その結果,
1.年別手術件数は増加しているが近年では大きな増減がないこと,2.男性患者より女性患者が多いが近年では男性患者の割合が増加していること,3.手術時年齢が上昇していること,4.下顎単独手術の割合が減少し,上顎単独手術,上下顎移動術の割合が増加していること,5.下顎枝矢状分割術における骨片固定法は,ワイヤー固定からスクリュー固定を経て近年ではプレート固定が多く適応されていることが示唆された.