九州歯科学会雑誌
Online ISSN : 1880-8719
Print ISSN : 0368-6833
ISSN-L : 0368-6833
歯学部における初年次教育プログラムによる クリティカルシンキングおよびロジカルライティングの学修効果の検討
福泉 隆喜鯨 吉夫吉野 賢一
著者情報
ジャーナル フリー

2018 年 72 巻 1 号 p. 7-17

詳細
抄録
近年,大学新入生の学習意欲の低下や目的意識の希薄化などが顕著となっていると指摘されている.このような状 況から,学生に自ら学び考える習慣を身に付け,新しい学びの段階への円滑な移行を,学士課程教育の入口において 支援することが重要であるといわれている.我々は,大学での学修および人格的な成長に必要な「考える力」と「主 張する力」を学修する初年次教育プログラムが,歯学部新入生のクリティカルシンキングおよびロジカルライティン グに関するスキルの向上に及ぼす効果を検討した.九州歯科大学1年次生を対象として,初年次教育プログラム受講 前後のクリティカルシンキングとロジカルライティングの総合スキルを自記式質問紙によってスコア化して比較し た.同様に,「批判的思考力テスト」を用いたクリティカルシンキングの習熟度評価によって,初年次教育プログラ ムの学修効果を判定した.また,教員および学生にアンケートを行い,受講前後の印象等を調査した.クリティカル シンキングについては,ほとんどの領域においてスコアが有意に上昇していたが,「議論を正確に把握する」能力に ついては,有意な変化が認められなかった.ロジカルライティングについても,総合スキルのスコアが有意に上昇し ていた.教員および学生アンケートの結果からは,一部の項目で学生の満足度を向上させる取組の必要性が示唆され た.
著者関連情報
© 2018 九州歯科学会
前の記事
feedback
Top