九州歯科学会雑誌
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変わりゆく外科的歯内治療法 エンドドンティック・マイクロサージェリー
諸冨 孝彦北村 知昭
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2019 年 73 巻 3-4 号 p. 39-47

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抄録
近年の根管治療用器具・機材および薬剤・材料の発展は目覚ましいが、感染根管処置には可能な限り適切と思われ る処置を行っても難治化する症例が存在する。根管は側枝や根尖分岐、イスマス・フィンなど複雑な解剖学的形態を 有することが多く、根管形成用器具を用いた機械的な感染歯質除去が可能な範囲は限られる。また、化学的洗浄を併 用しても根管内の全ての細菌や汚染物質を除去することは困難である。さらに根尖孔外に形成されたバイオフィルム の存在も、難治化の原因となる。このような症例では歯根端切除術が適用される。 Endodontic microsurgeryは、マイクロスコープにより歯根切断端や周囲歯周組織を確認しながら外科的歯内治療を行うもので、同軸照明と拡大視野のもと歯根周囲の歯周組織や歯根切除断面を観察しながら処置ができる。骨窩洞 や歯根切除長を最小限に設定でき、歯根周囲の病変も確実に除去できるため迅速かつ低侵襲な処置が可能となり、従 来法に比較し高い成功率が報告されている。術前の歯科用コーンビームCTによる術前診査も併用することで、その 精度はさらに高まる。 Endodontic microsurgeryの導入により、歯根端切除術は従来の方法と比較し、高い成功率の期待できる歯内治療法の一分野として確立されつつある。本総説では歯根端切除術におけるEndodontic microsurgeryの基本的な概念と手技、使用器具・機材や薬剤・材料につき概説する。
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