抄録
今回,「初めての病院見学実習」に関する事前学習を行うためのコンピュータシュミレーション教材(以下e-learning教材とする)を作成し,その教材を学生に評価させ,その有用性を検討し,教材改善を図ることとした.対 象は,九州歯科大学歯学部口腔保健学科1年生25名とし,e-learning教材実施前および実施後に学生に対する質問紙調 査を行った.その結果,初めての病院見学実習を行うことについて,学生の64.0%が不安を「(やや)感じる」と回答 した.e-learning教材を実施することで,病院見学実習を行う学生の80.0%が,不安が「(やや)軽減した」と回答した. 初めての病院見学実習に必要な知識について4段階評定尺度で教材実施前後の理解度を比較したところ,「適切な身な り」は教材実施前では,2.92であったが,実施後は3.36に増加した.「患者や家族への対応」は教材実施前では,2.52 であったが,実施後は3.24に増加した.「適切な行動」は教材実施前では,2.92であったが,実施後は3.36に増加した.
「初めての病院見学実習に必要な知識」は教材実施前では,1.96であったが,3.24に増加した.病院見学実習や多職 種連携についてのイメージは,e-learning教材実施前と比較して,実施後は具体的になった.また,実施前より実施 後の方が「病院見学実習において必要な知識及び態度」を得やすくなることも明らかとなった.以上より,さらに, 実際の臨床現場を想定としたe-learning教材を提供することは,学生にとって有用であることが示唆された.