抄録
今回、歴史ある第80回九州歯科学会総会・学術大会のシンポジウムを担当させていた
だいた九州歯科大学歯科侵襲制御学分野(歯科麻酔科・ペインクリニック)の渡邉誠之です。
昨年度コロナ禍のために延期され、また今回も誌上シンポジウムとなり、臨床の場での実
際の声やお尋ねが聞けないのが残念です。シンポジウム後にメールのやり取りなどで討議
が活発になれば幸いです。
さて、会員の皆様方には歯科麻酔科はやや遠い存在かもしれません。
歯科麻酔医と言えば歯科治療ができないのに大学病院で手術の時だけ大きい顔をする歯
科医師であるとか抜歯後の神経障害や訳の分からない痛みに対処するところ等、あまり心
地よい記憶のない診療科だと思います。
もちろん歯科麻酔科は手術の麻酔が主たる領域ですが、それだけではなくいろいろな領
域にかかわっています。今回、歯科麻酔科が関与する仕事をよく知っていただき、もしか
したら少しは利用価値があるのではと思っていただくためにこのシンポジウムを企画しま
した。
今回、お呼びしたシンポジストの方々は実際に臨床に長けた先生方です。まずは九州大
学大学院歯科麻酔学分野 坂本英治先生(主に神経障害や痛みとのかかわり)、北九州市立
総合療育センター歯科 吉田篤哉先生(障害者歯科とのかかわり)、九州歯科大学口腔機能
発達分野 渡辺幸嗣先生(小児歯科とのかかわり)について御講演をいただきます。それぞ
れの立場でのご意見を是非とも多くの方に知っていただきたいと思います。しかし、シン
ポジストのご講演内容の詳細を存じ上げていないため、聴衆の先生方はどのように思われ
るかわかりません。少し不安ですが、皆様方のお役に立てることを願っています。
現在、九州歯科大学附属病院では歯科麻酔科外来およびあんしん科(障害者歯科)の収益
の合算が手術の麻酔収益とほぼ同等までになっております。また、収益以上にもその存在
理由や社会的役割が増してきております。今後、歯科麻酔科は手術の麻酔以外にも多くの
領域にかかわっていき、歯科医療の安全・質の向上に少しでも貢献できれば良いと思って
おります。もっと歯科麻酔科を利用していただければ幸いです。