形態・機能
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卵巣摘出ラットにおける腰椎骨密度の推移にともなう尿中のI型コラーゲン架橋N-テロペプチドとカルシウム
北村 文月黒川 清今本 喜久子
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2005 年 4 巻 1 号 p. 13-18

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抄録

Wistar系雌ラットの両側卵巣を9週齢で摘出し、腰椎の骨密度 (BMD) 測定と併行して尿中の骨吸収マーカー1型コラーゲン架橋N-テロペプチド (NTX) とカルシウム (Ca) を測定した。
卵摘群のBMDは、成長期の増加率が健常群の半分であり、17週齢で最大値0。2389/cm2に達した。この値は健常群が32週齢で達した最大値0.2679/cm2より11%低かった。その後両群とも54週齢からゆるやかな減少に転じた。若齢群の尿中NTXは卵摘4週後までは健常群との差がほとんどなく、卵摘8週後に著しく高い値175.3nmol BCE/mmol・Crとなった。この値は健常群との比較だけでなく卵摘後のどの時期と比べても有意差が認められた (p<0.001) 。54週齢と66週齢の高齢群においては、NTXは卵摘群と健常群に有意差がなく、ともに低い値となっていた。尿中CaについてはNTXとの関係は不明瞭であったが、卵摘群は健常群よりも低値となる傾向がみられた。

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