結核
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活動性肺結核の加療中に発症した小腸結核イレウスの1例
井田 徳彦山本 景三権田 秀雄大石 尚史菅沼 伸一山口 育男木下 恵子鈴木 隆ニ郎
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2007 年 82 巻 12 号 p. 919-923

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抄録

症例は44歳男性,咳と喀痰を主訴に近医を受診し喀痰抗酸菌塗抹検査陽性,PCR法で結核菌が陽性のために肺結核と診断され豪院へ精査加療目的で入院となった。肺結核に対してENH,RFP,EB,PZAの4剤の投与を開始したが,投藥開始4日目で抗結核薬によると思われる肝障害が出現したため一時投薬を中断した。その頃より心窩部痛,嘔気を認めるようになり腹部単純X線検査,腹部CT検査を施行したところイレウスの所見を認めた。そのためイレウス管を挿入し保存的に経過をみるもイレウスの症状の改善を認めず,小腸透視検査を施行したところ回腸末端に強い狭窄所見を認めたため小腸部分切除術を施行した。摘出標本の肉眼的所見では輪状潰瘍を認め,病理組織学的にラングハンス巨細胞を伴う類上皮細胞性肉芽腫を認めた。また切除組織の結核菌PCRも陽性であり小腸結核と診断した。経口摂取の開始とともにPZAを除いたINH,RFP,EBの3剤で治療を再開し排菌も止まり6カ月治療終了後も再発の徴候なく経過観察中である。

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© 日本結核病学会
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