顕微鏡
Online ISSN : 2434-2386
Print ISSN : 1349-0958
特集:オートファジー;形態学と分子生物学の融合
初期胚発生におけるオートファジーの新しい役割
塚本 智史岸 千絵子水島 昇
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2010 年 45 巻 2 号 p. 91-93

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抄録

卵子は100%母親由来の細胞であり,卵細胞質には母性のmRNAやタンパク質が蓄えられている.精子と融合して受精卵となった直後の細胞質にもこれらの母性因子は持ち込まれる.その後急速に分解され,受精卵由来のmRNAやタンパク質が発現する.受精してから着床するまでが4日間であることを考えると,母性因子の除去には大規模な分解系が関与すると思われる.オートファジーはリソソームを分解の場とする細胞質成分の大規模な分解系である.これまで出生以前の胚発生におけるオートファジーの役割は不明であったが,筆者らはマウスの受精卵で活発にオートファジーが起こることを発見した.実際に,受精直後のオートファジーを欠損した受精卵は着床前致死になることも明らかとなった.母性タンパク質が受精直後のオートファジーによって大規模に分解され,その分解産物であるアミノ酸は着床するまでの胚発生に必要であることを示唆している.

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© 2010 公益社団法人 日本顕微鏡学会
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