2013 年 48 巻 2 号 p. 84-89
細胞骨格関連分子の細胞内ダイナミクスを捕捉するうえで,蛍光単分子イメージングは有用な情報を提供する.しかし,直接可視化による高精細な分子動態データが得られても,集団として分子がどのように振る舞うのか直観的に捉えにくいことがある.一方,蛍光消光後回復(FRAP:fluorescence recovery after photobleaching)など分子全体の分布変化を可視化する方法では,時空間分解能の制約が大きいため,分子の細かい動態や異なる動きをする分子種の存在を捉えることが難しく,ときに誤った解釈を与えてしまう.最近,われわれの研究において,FRAPやアクチン単量体濃度を連続的に定量するs-FDAP(sequential-fluorescence decay after photoactivation)法のデータと,蛍光単分子イメージングのデータを同じ条件下で比較することで,アクチン重合・脱重合サイクルのより深い理解につながった経験が得られたので,学術的背景とあわせて紹介する.