2021 年 56 巻 2 号 p. 59-63
RhoおよびRasファミリーの低分子量Gタンパク質は細胞外からの刺激により活性化し,細胞運動や増殖,分化などを制御している.FRETなどを利用したバイオセンサーにより,その細胞内での時空間的な活性分布が明らかとなったが,その機能を正確に理解するためには,人為的に活性を操作し,細胞の応答を観察することが必要である.光遺伝学は光応答性のタンパク質を利用し,光照射によってシグナル分子の活性を操作する技術である.光遺伝学によって,細胞内で低分子量Gタンパク質の活性を高い時空間分解能で自在に操作することが可能となった.本稿では,6種類の低分子量Gタンパク質の活性を操作する光遺伝学ツールを作製し,低分子量Gタンパク質と細胞内カルシウムシグナルとのクロストークを解析した最近の我々の研究例を中心に,低分子量Gタンパク質の光遺伝学による操作と,バイオセンサーを用いた細胞内機能の観察について解説する.