日本健康学会誌
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原著
Comparison of wet-bulb globe temperature (WBGT) and mean temperature for assessment of heat-related mortality
evidence from 47 Japanese prefectures
Chaochen MAYasushi HONDATran Ngoc DANG
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2018 年 84 巻 2 号 p. 52-72

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抄録

目的:我々は47都道府県の1972-2012年のデータを用い,湿球黒球温度(=WBGT)と死亡との関連を解析し,その評価についてWBGTと平均気温の相違を比較した.

方法:我々は,まず,気温とラグに非線形分布を仮定した回帰モデル(distributed lag non-linear model=DLNM)を用いて都道府県別のWBGTが死亡に与える影響を計算し,同様の計算を日平均気温を用いて行った.次いで,死亡リスクが最低となるWBGT(minimum mortality WBGT= MMW)と死亡リスクが最低となる平均気温(minimum mortality temperature = MMT)をすべての都道府県について比較した.

結果:WBGTと平均気温の死亡リスクカーブは類似しており,ほとんどの都道府県で逆J字型が認められた.北方の都道県では,暑熱影響は寒冷影響と同様であったが,南方の府県では寒冷影響がより大きかった.基本的に,MMWとMMTは北部から南部にかけて高くなる傾向が認められた.MMTとMMWをパーセンタイル値で評価した場合,ほとんどの都道府県で80から90パーセンタイルに収まっていた.高知県は外れ値となっていた.通常,暑熱影響のラグは短いので,上記DLNM解析において,ラグのみ元々の21日間から7日間と短くして高知県のデータを再計算したところ,外れ値ではなくなった.このことは,高知県が外れ値になったのは,長すぎるラグを用いたためであることを示唆する.

結論:我々は,死亡の評価を行う際に,WBGTと平均気温は強く相関していることを認めた.よって,暑熱警報のためにWBGTデータが得られない場合には,平均気温がよい代理変数となる.

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