目的:健康的な食生活リテラシー(Healthy Eating Literacy:HEL) 尺度の信頼性および妥当性を検討することを目的とした.
方法:2010年12月,社会調査会社の20-59歳の登録モニター6,045名を対象に,インターネットを用いた横断研究を実施した.HEL尺度の構成概念妥当性は,検証的因子分析と基準関連妥当性から確認した.基準関連妥当性は行動変容ステージとの関連を検討した.尺度の信頼性は,内的整合性と再検査信頼性によって検討した.内的整合性はCronbachのα係数を算出し,再検査信頼性は2週間後の尺度との比較を行った(n=100).
結果:有効回答数は1,252名であった(回答率20.7%).検証的因子分析の結果,高い適合度指標が得られた(GFI=0.988,AGFI=0.957,CFI=0.990,RMSEA=0.080).また,共分散分析の結果,HEL尺度と行動変容ステージに関連性が示された(F=16.25,p<0.001).内的整合性(α=0.87)と再検査信頼性(r=0.742,p<0.001)は良好であった.
結論:HEL尺度の信頼性および妥当性が確認され,本尺度が一般成人のHELの評価に,使用できる可能性が高いことが示された.