日本健康教育学会誌
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原著
都市在宅高齢者における3年後の等価収入額に寄与する社会経済的要因と主観的健康感および生活習慣
―パス解析―
星 旦二井上 直子湯浅 資之藤原 佳典高城 智圭高橋 俊彦櫻井 尚子
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2013 年 21 巻 1 号 p. 3-12

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抄録
目的:研究目的は,都市郊外に居住する高齢者を対象として,社会経済的要因と主観的健康感と生活習慣が,その3年後の年間の等価収入額に影響する因果構造を明確にすることである.
方法:調査方法は,都市高齢者に対する郵送自記式質問紙調査である.初回調査は,2001年9月に東京都郊外A市に居住する在宅高齢者16,462人全員を対象として得られた13,195人(回収率80.2%)を基礎的データベースとした.3年後の2004年9月に同様な質問項目による追跡調査を実施し,85歳未満の8,162人を分析対象者とした.3年後の2004年の等価収入額を規定する,学歴,主観的健康感,生活習慣それに2001年の等価収入額との因果関係についてパス解析を用いて分析した.分析には,SPSS18.0JとAMOS18.0Jを用いた.
結果:3年後の等価収入額は,男女ともに3年前の等価収入額と有意に関連していた.3年後の等価収入額を規定する総合効果と直接効果が最も大きいのは,3年前の等価収入額であった.学歴から2004年の等価収入額への効果は,男女ともに,学歴を基盤として,生活習慣や主観的健康感を経由する小さな間接効果が示された.本モデルは高い適合度が得られた.3年後の等価収入額の決定係数は,16~45%であった.
結論:新しい健康支援活動では,学歴に規定される等価収入額が,3年後も関連していることに配慮することが期待される.内的外的妥当性を高める研究が,今後の研究課題である.
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© 2013 日本健康教育学会
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