日本健康教育学会誌
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特別報告
食行動改善のためのポピュレーションアプローチの地域の実践事例
―食育から食環境整備までの現状と課題―
阿部 絹子
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2016 年 24 巻 1 号 p. 30-36

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抄録

目的:ポピュレーションアプローチに基づく群馬県の食育及び健康増進対策の実施状況と問題を報告することを目的とした.
内容:群馬県では,健康増進対策の一環として食育推進計画における第2次計画から第3次計画へ積極的に取り組んだ.①これまで食品安全部門が所管していた食育推進業務を健康増進部門に移管し,健康増進施策と一体的に推進する組織体制とした.②若い世代食育推進協議会の設置や高齢者の食育支援体制整備を行い,生涯に渡って県民の「食」と健康への支援を強化した.③社会環境の整備として健康づくり協力店制度(栄養成分表示・ヘルシーメニュー提供店舗等の登録)を導入し,今現在登録企業数は100社を上回った.以上の対策は県民及び関係企業・団体のどこまで普及できるか,また,行政と企業(社会環境)が互いの強みを活かし,連携できるネットワーク体制の構築が課題となっている.
結論:今後,県民の健康のため,ポピュレーションアプローチとしての食育と健康増進対策を継続に推進すると共に,多分野の連携できるネットワーク体制の形成が重要である.

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