日本健康教育学会誌
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原著
大学生における地域基盤型専門職連携教育自己評価尺度の開発
―関東地方三大学における横断・縦断データより―
大部 令絵川俣 実柴﨑 智美萱場 一則細谷 治
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2017 年 25 巻 3 号 p. 168-179

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抄録

目的:大学生における地域基盤型専門職連携教育(IPE)自己評価尺度の開発を目的とした.

方法:研究1では関東地方のA,B大学の地域基盤型IPE参加者に実習前後にオンライン調査を実施した.有効回答597名(看護189,理学療法50,作業療法60,社会福祉86,健康行動54,検査技術59,口腔保健44,医学55)の実習前のデータを用い,探索的因子分析,Cronbachのα,ω係数算出,実習前後の縦断データから専門(8種)×実習段階(前・後)の二元配置分散分析を行った.研究2では研究1と異なる地域基盤型IPEに参加した関東地方のA,B,C大学生にオンライン調査を実施した.有効回答121名(理学療法18,医学78,薬学17,医療栄養9)のデータから確証的因子分析を行った.

結果:研究1から,因子1:チーム形成のための能力6項目,因子2:利用者中心性5項目,因子3:メンバーの相互理解3項目,因子4:メンバーの尊重2項目を得た.α,ω係数は0.80以上であった(α=0.80~0.92,ω=0.81~0.91).全因子で実習後の因子得点が有意に高く,因子1と2に交互作用があり,一部学生の専門間で実習後の得点に有意差がみられた.研究2の適合度指標は許容範囲であった(χ2=0.07,df=123,CFI=0.99,TLI=0.99,RMSEA=0.03[90%CI 0.00~0.06]).

結論:尺度の妥当性・信頼性が確認され,尺度が開発された.

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