目的:中学生の体型願望と学校給食の食べ残しの関連を明らかにすることを目的とした.
方法:熊本県内の公立中学校(5校)に通う中学2年生887名を調査対象とした(横断研究).調査項目は,属性(性別,年齢,部活動の所属),身長,体重,給食の食べ残し,体型願望,主観的な給食時間のながさ,給食の嗜好とした.有効回答を得た716名(男子373名,女子343名)を解析対象とした.体型願望と給食の食べ残しの関連は,従属変数を給食の食べ残し(全部食べる/残すことがある),独立変数を体型願望(今のままでよい(基準)/やせたい/太りたい)としたロジスティック回帰分析により検討した.モデル1は調整変数を投入せず,モデル2は属性,各中学校の給食の調理方式(単独/共同調理場方式),モデル3はモデル2の調整変数と,肥満度,主観的な給食時間のながさ,給食の嗜好を調整変数とした.
結果:給食を残すことがある者は男子68名,女子136名であった.モデル3において,男子は体型願望と給食の食べ残しに関連は認められなかった.一方,女子は,やせたいと回答した者(調整オッズ比:1.92, 95%信頼区間[1.07, 3.46])は,給食を残すことがある者が多かった.
結論:中学生女子においては,体型願望と給食の食べ残しに関連が認められ,体型願望を是正するための健康教育の必要性が示唆された.