日本健康教育学会誌
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短報
就労者における在宅勤務と家族との共食頻度
満崎 雅咲吉井 瑛美外園 海稀赤松 利恵 新保 みさ小島 唯
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キーワード: 在宅勤務, 共食, 就労者
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2022 年 30 巻 1 号 p. 46-53

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抄録

目的:家族との共食頻度の増加に向けて,成人の就労者を対象に,在宅勤務と家族との共食頻度との関連を検討すること.

方法:2020年11月,全国の成人男女を対象に実施されたインターネット調査のデータを用いた.対象者6,000人のうち,非就労者および一人暮らしの者を除外した3,507人を解析対象とした.解析項目は,属性(年齢,性別,最終学歴,世帯年収,婚姻状況,子どもまたは高齢者との同居との有無,就業形態),在宅勤務,家族との共食頻度とした.従属変数は,家族との共食頻度(毎日2回以上/毎日1回/毎日1回未満(参照カテゴリ)),独立変数を属性および在宅勤務とし,多項ロジスティック回帰分析を行った.

結果:在宅勤務が,「ほぼ毎日」は904人(25.8%),「週4日以下」は2,603人(74.2%)であった.多項ロジスティック回帰分析の結果,在宅勤務と家族との共食頻度「毎日1回」「毎日2回以上」のどちらとも関連は認められなかった(各OR [95%CI]=0.95[0.78, 1.16],1.20[0.99, 1.46]).

結論:本研究において,在宅勤務と家族との共食頻度との関連は示されなかった.このことから,単に在宅勤務を推進するだけでは,家族との共食頻度を増やすことはできない可能性が示唆された.

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© 2022 一般社団法人日本健康教育学会
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