日本健康教育学会誌
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短報
専門家による健康・栄養に関する教育は食生活リテラシーの向上に影響しているか—2018年から2019年の縦断調査—
髙泉 佳苗
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2024 年 32 巻 1 号 p. 28-34

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抄録

目的:一年間に受けた専門家による健康・栄養に関する教育が食生活リテラシーの向上に影響しているか検討することを目的とした.

方法:社会調査会社の30~59歳のモニターを対象にweb調査による縦断研究を実施した.ベースライン調査は2018年,追跡調査は2019年に実施した.解析対象者は1,967人であった.食生活リテラシー得点と一年間に専門家(医師,看護師,保健師,栄養士等)から受けた健康・栄養に関する教育回数を調査した.2019年の教育回数から教育なし群と教育あり群に判別した.教育あり群は学習形態別に個別学習群,一斉学習群,個別+一斉学習群に群分けした.群間における食生活リテラシー得点の経時変化を反復測定による2元配置の分散分析で検討した.

結果:教育なし群と教育あり群における2018年から2019年の食生活リテラシー得点の経時変化に有意な群間差は認められなかった(男性;P=0.268, 女性;P=0.540).学習形態別においても食生活リテラシー得点に有意な群間差は認められなかった(男性;P=0.553, 女性;P=0.692).

結論:男性と女性において,専門家による健康・栄養に関する教育は食生活リテラシーの向上に影響していなかった.

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