日本健康教育学会誌
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実践報告
スーパーマーケットと買い物バスにおける減塩・増カリウムを目指した食環境づくり—買い物バス利用者を対象とした調査によるプロセス評価—
小山 達也 川畑 輝子青野 昌代三國 正人川原田 恒道林 千賀子中村 正和吉池 信男
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2024 年 32 巻 2 号 p. 104-110

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抄録

目的:青森県東通村では,減塩・増カリウムを目指し,住民健康診査の場を活用した保健指導と食環境づくりを組み合わせた事業を開始した.本報告は,スーパーとそのスーパーが運営し,スーパーに行く手段として利用される買い物バス内での情報へのアクセス向上を目指した食環境づくりに関し,プロセス評価を行い,それらの実施可能性を考察することを目的とした.

活動内容:2021年11月から食環境づくりを開始し,減塩レシピカードを作成してスーパーと買い物バス内に設置した.スーパー内には,減塩食品や牛乳・乳製品の陳列棚にポップを付けた.買い物バス内には,減塩のコツやカリウムの摂取の推奨を記載したポップを設置した.買い物バス利用者を対象に,2021年11月(事前調査34名)と2022年3月(事後調査22名)に聞き取りによる質問紙調査を3日間ずつ行った.

活動評価:ポップやレシピ等の設置後に行った事後調査では,ポップを「よく見た」または「時々見た」と回答した者の割合は,スーパー店内に関しては約3割であったのに対し,買い物バス内に関しては約6割であった.減塩レシピカードの利用状況として「ほぼ全部作った」「半分以上作った」「何品か作った」のいずれかを回答した者は約2割であった.

結論:買い物バスの利用客に対しては,スーパー内よりも買い物バス内で情報提供した方が,より認識されやすい可能性が示唆された.

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