抄録
学校における健康教育の評価法は、かならずしも確立されているとはいえない。本研究では、生徒の側から保健授業そのものを評価できないかについて検討を加えた。生徒が保健授業に対してどのような印象を持っているかについてアンケートを実施し、生徒の反応をクラスター分析したところ、授業の印象は、生徒の学習過程、教師の教授過程、生徒の能動的思考および受動的思考の4クラスターに分けることができた。これらの内生徒の能動的思考に該当する項目が授業評価に利用できると考えられた。さらにこれらの項目は、新しい発見があり、多角的な考え方ができ、生活で役立つような内容があるという3点に集約されると考えられた。これら3項目に興味深いを加え、保健授業の評価票を作成した。この評価票を実際の授業で用いたところ、指導法による生徒の反応の違いが明らかにされ、今回の評価票は、授業研究の推進に利用できると考えられた。